こんにちは!シーガーです。
本日は、昨年受けた扁桃腺摘出手術の体験談を記載したいと思います。
少し長いですが、ご覧いただけと幸いです。
目次
はじめに:扁桃腺に悩まされ続けた人生
私の扁桃腺との付き合いは、物心つく前から始まっていました。
小学校低学年の頃から喉の腫れと発熱を繰り返しており、特に季節の変わり目には38〜39℃の高熱が出るのが常でした。
そのたびに学校を休み、病院へ行き、抗生物質をもらい、喉が治ったと思ったら、また数ヶ月後に再発する。そんなサイクルが10年以上続いていたのです。
問題はそれだけではありません。大事なイベントのたびに高熱を出すという体質でした。運動会、修学旅行、成人式。よりによってここぞというタイミングで発熱するのです。
社会人になってからも状況は変わりませんでした。仕事の繁忙期や出張前になると発熱。有給休暇の大半は喉の療養に使われ、体力的にも精神的にも限界を感じていました。
「一生このままなのか?」という不安。将来結婚して子どもができたら?もっと責任のある仕事を任されたら?と考えれば考えるほど、いつかこの扁桃腺と決別しなければならないと感じていました。
手術を決めたきっかけと準備
そんな中、YouTubeで偶然見つけた「扁桃腺摘出手術の体験談動画」が私の心を動かしました。
映像の中の人は、私と同じように慢性扁桃炎に悩み、仕事や生活の質が下がっていた人。そんな彼が、手術を受けて見違えるように健康になったという話に、私は大きな勇気をもらいました。
手術に不安がなかったわけではありません。喉の手術=痛いというイメージがどうしても頭をよぎります。しかし、その痛みの先に「扁桃炎のない生活」があるなら、挑戦してみる価値はあると思ったのです。
事前検査と病院の選定
まずはかかりつけの内科へ相談。そこから紹介状をもらい、大学病院の耳鼻咽喉科を受診しました。大学病院では以下のような検査が行われました:
- 血液検査
- 扁桃腺の目視
- 心電図・レントゲン
担当医の先生からは、「手術の判断基準は扁桃腺の大きさよりも炎症の頻度」との説明を受けました。
私の場合は「年に3〜4回」発熱しており、手術ラインを明らかに超えているとのこと。さらに医師からは「これ以上放っておくと、慢性的な扁桃周囲膿瘍(のうよう)になる可能性もある」と言われ、手術を勧められました。
決心が固まったのはその一言でした。
入院前の準備
手術は1ヶ月半後に決定。大学病院の都合上、スケジュールが混んでいたのですが、逆に猶予ができたことで、入院の準備や心構えができました。
以下は入院前に私が用意した持ち物の一部です:
- 前開きのパジャマ(点滴・診察のため)
- 洗面用具・ウェットティッシュ
- 読書用の本2冊とNintendo Switch(暇つぶし用)
これらの準備が、長い入院生活を快適にする大きな助けとなりました。
入院と手術の詳細レポート
1日目:オリエンテーションのみ
いよいよ入院当日。受付を済ませ、病棟に案内されました。
初日は特に検査はなく、担当看護師から生活の説明を受け、リネンや洗面道具を収納しながら部屋に慣れていきました。部屋は4人部屋でしたが、カーテンで仕切られていたのでプライベート感はしっかりしていました。
2日目:手術当日
朝の7時すぎ、手術用の点滴が始まりました。全身麻酔と事前に聞いていたため、驚きや怖さはあまりなく、どこか「ゲームの一場面のような気分」で臨んでいました。
手術室へ入室し、ベッドに横たわって麻酔を受けると…数秒後には意識がなくなっていました。
目覚めると病室のベッドの上。思ったよりも喉の痛みはなく、「あれ?終わった?」という感覚でした。
3〜5日目:痛みはあるが、まだ余裕あり
術後2〜4日は、痛み止めがしっかり効いていたおかげで、喉は痛いものの普通に食事ができる程度でした。
術後の食事は「やわらかい病院食」で、特におかゆ・煮魚・豆腐が中心。毎食完食できるほどで、ここまでは拍子抜けするほど順調でした。
6〜8日目:痛みのピークと副作用
術後4日目から、喉のかさぶたが剥がれ始めたためか、痛みが一気に強まりました。
食事が喉を通らず、特に温かいもの(例:おかゆ)が激しくしみるようになりました。この頃から、冷たい水しか受け付けなくなり、病院内のコンビニで水を買ってはちびちびと飲む毎日。
さらに困ったのが豆乳アレルギーの発覚。食事に豆乳が含まれていたのですが、人生で一度も飲んだことがなかったため、このタイミングでアレルギー反応が出てしまいました。
また、精神的なストレスから便秘と不眠に悩まされ、夜間もあまり眠れず、昼間に横になって本を読むかSwitchで「パワプロ の栄冠ナイン」をする日々でした。
9日目:退院日と最後の診察
退院当日は、早朝に執刀医の先生の診察を受け、喉の状態を確認。
「傷口は広がっていない。今感じている痛みは、かさぶたが剥がれて生まれた傷が治ろうとしている証拠」と説明され、少し安心しました。
昼食後、会計を済ませて退院。8泊9日という長い入院生活でしたが、無事に手術を終えた安堵感が大きく、歩く足取りも軽く感じました。
ちなみに入院費は健康保険適用+高額療養費制度により、実質の自己負担は5万円程度。日本の医療制度には本当に感謝しかありません。
退院後の試練と回復までの道のり
退院直後:まさかの痛みの再来
退院して自宅に戻ってからの一週間。私は入院中よりも痛みに苦しみました。
これは想定外でした。家に帰って安心した矢先、夜は眠れないほどの激痛。食事はほとんど取れず、主食はウイダーインゼリー、ヨーグルト、プリン、アイス。
この中でも冷たいアイスやゼリー系の食品は、喉の炎症を和らげる感覚があり、少しの救いとなっていました。
ちなみに、この期間で気づいたのが「栄養ゼリーの高さ」。毎日ウイダーインゼリーを買う生活は、意外に出費がかさみました。食事を簡素化したはずなのに、食費はむしろ増えたというのは盲点でした。
術後2〜3週間目:回復の兆し
退院から2週間後、ようやく少しずつ声が出るようになり、食事もスープや柔らかいご飯がとれるようになりました。
この頃から仕事も再開。最初の1週間はテレワークで対応していたため、職場復帰にあたってのプレッシャーも少なめでした。
ただ、医師からは「術後1ヶ月はアルコール禁止」「刺激物はNG」と指導されていたため、引き続き体にやさしい食生活を意識。
そして3週間が過ぎた頃、術後最後の通院がありました。診察では「傷の治りも順調」「炎症の兆候なし」とのことで、通院も終了。
術後1ヶ月:ようやく完治
手術から4週間が経過。痛みも完全になくなり、声も通常通り出るようになりました。食事も通常のものが食べられ、体重は5kgほど落ちましたが、気分は非常に軽やか。
そして何より驚いたのが、それ以降殆ど発熱しなくなったこと(コロナになってしまったことはあります)。以前は、少し疲れるだけで喉が痛み、すぐに熱が出ていたのに、その心配が一切なくなったのです。
術後の生活の変化と実感
現在では、喉の痛みや発熱を気にすることなく、人との会話、仕事、飲み会を楽しめるようになりました。
ただし、完全に油断してはいません。手洗いうがいは以前よりも丁寧に行っています。
また、唯一のデメリットとしては、「高音が出しづらくなった」こと。カラオケで歌うときに少し違和感があるのですが、頻繁に歌う方であれば数ヶ月で慣れるでしょう。
まとめ:手術を考えるあなたへ
ここまで私の体験をつづってきましたが、扁桃腺摘出手術は決して軽い手術ではありません。
術後の痛みは本当に辛く、私は5キロ以上体重が落ち、夜も眠れない日が続きました。加えて食事制限、声の不安、精神的ストレスも伴います。
それでも、手術をして本当に良かったと今は断言できます。長年悩まされてきた扁桃炎から解放され、仕事や私生活の充実度が格段に上がりました。
もちろん、手術の是非は人それぞれ。私はこの体験談が、同じように悩む方の判断材料の一つになれば嬉しいと思っています。
「健康を取り戻すために、短期間の痛みを受け入れる」。そう思えたとき、人生はきっと変わります。
それでは!