こんにちは!シーガーです。本日は国内3メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)が2025年3月期において揃って過去最高益を記録した件について、その背景を振り返りながら、2026年3月期の見通しについても考察します!
目次
2025年3月期:メガバンクが過去最高益を達成した背景
2025年3月期、日本の3メガバンクは、合計で3兆9,000億円という過去最高の純利益を記録しました。
この背景には、日米金利差の拡大と円安進行がありました。米国の高金利を活かして収益をあげる「外債運用(がいさいうんよう)」が大きく貢献しました。また、法人向け融資の利ざや(貸出金利と調達金利の差)拡大も利益を押し上げる要因となりました。
特に三菱UFJは、海外事業の拡大と米国での収益力向上が利益に大きく寄与しました。
成長の源泉:なぜこれほどまでに利益が伸びたのか?
外債運用による収益増
メガバンクは、日本国内の低金利から脱却できない中で、米国債などの「外債(外国の債券)」を大量に保有しています。米国の金利が高いままであったため、これらの債券から安定した収益を確保できました。
企業向け貸出の増加
景気回復とともに、国内企業の設備投資が増加。それに伴い、企業向けの融資需要も高まりました。銀行側は利率を高めることで「利ざや」を確保でき、利益向上につながりました。
デジタル化によるコスト削減
各行が進めるデジタルバンキングの強化も見逃せません。店舗削減やAI導入によって、コスト構造を大きく見直し、経費率の改善が進んでいます。
課題とリスク:関税や海外情勢が与える影響
順風満帆に見えるメガバンクの経営ですが、2026年3月期以降にはいくつかのリスクが懸念されています。
米中関係と関税リスク
米国では2024年に政権交代が起こり、保護主義的な政策が再び強まっています。特に、中国やメキシコへの追加関税が懸念されており、これが日本企業の輸出や現地法人の収益に影響を与える可能性があります。
それにより、日本の銀行が持つ海外債権の回収リスクや、企業融資の焦げ付き(貸倒れ)リスクが高まることが考えられます。
金利の逆転現象(イールドカーブ・インバージョン)
一部では、短期金利が長期金利を上回る「イールドカーブの逆転(逆イールド)」が発生しており、これは景気後退の前兆とも言われます。もし米国経済が減速すれば、外債収益も圧迫される恐れがあります。
2026年3月期の展望:持続的成長は可能か?
以上のようなリスク要因がある中でも、メガバンクは2026年3月期も慎重ながら増益を見込んでいるようです。その根拠は以下の通りです。
国内金利の正常化
日本銀行はマイナス金利政策を解除し、段階的に政策金利を引き上げています。これにより、国内の貸出収益も上昇が見込まれており、利ざやの拡大が期待されています。
海外収益の多角化
三菱UFJをはじめとするメガバンクは、東南アジアやインド市場への進出を強化しています。米国市場だけに依存せず、新興国からの収益を増やす戦略が進行中です。
ESG投資・グリーンファイナンスの伸長
環境・社会・企業統治に配慮した「ESG投資」や、脱炭素を支援する「グリーンファイナンス」のニーズが急増しています。銀行はこうした分野で新たな収益機会を見出しており、持続的な成長につながると見られます。
まとめ
2025年3月期のメガバンクの過去最高益は、外部環境と内的な経営改革がうまくかみ合った結果でした。2026年3月期も引き続き堅調な業績が期待されますが、関税や金利、地政学的リスクといった不確定要素への対応が求められます。読者の皆さんも、金融市場や経済ニュースを注視しながら、メガバンクの動向をチェックしていきましょう。
それでは!
参考記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/d9101f092877d6146e356c5ec22569b28021a023