こんにちは!スミスです。
京都旅行を計画中のみなさん、ちょっと聞いてください。2026年3月から、京都市の宿泊税が大幅に引き上げられることが正式に決まりました。最高額はなんと1泊1万円です。「え、そんなに取られるん!?」とビックリした方も多いはず。でも実は、ほとんどの旅行者には大きな影響はないんです。この記事では、京都市の財政事情から増税の背景、そして私たち旅行者への実際の影響までを、わかりやすく解説します。京都旅行の計画を立てる前に、ぜひ最後まで読んでみてください。
なぜ京都市は宿泊税を引き上げるのか?財政危機の実態
京都市の財政危機について
京都市といえば、世界中から観光客が訪れる日本を代表する観光都市。でも実は、財政状況はかなり深刻なんです。
市民一人あたり約147万円の借金を背負っている
京都市財政 危機的状態! | 【京都市会議員】江村りさ 公式サイト(京都党右京区支部長)
という指摘もあるほど、借金総額は2兆円を超えると言われています。
なんでこんなに借金が膨らんだんか。その大きな原因は、平成初期に行った大規模な都市基盤整備です。地下鉄建設などのインフラ整備に莫大な予算を投じた結果、公債費(借金返済のための費用)の負担がずっしりと重くのしかかっているんですね。
さらに追い打ちをかけたのが、コロナ禍です。観光客が激減したことで、観光関連の税収が大幅に落ち込みました。ただ、2023年以降は観光客数も回復し、一時は「財政破綻」とまで言われた状況からは持ち直しつつあります。とはいえ、まだまだ安心できる状況ではありません。
増税前の京都市の宿泊税
京都市の宿泊税は2018年(平成30年)10月から導入されました。これは観光振興と市民生活の調和を目的としたもので、当初から宿泊料金に応じた段階的な税率が設定されていました。
従来の税額はこんな感じでした。
- 宿泊料金6,000円未満:200円
- 宿泊料金6,000円以上20,000円未満:200円
- 宿泊料金20,000円以上50,000円未満:500円
- 宿泊料金50,000円以上:1,000円
この制度によって、京都市は年間約52億円の税収を得ていました。しかし、オーバーツーリズム(観光客の過剰流入による地域への負担)対策や観光インフラの整備には、もっと予算が必要だという判断から、今回の大幅な引き上げが決定されたというわけです。
今回の宿泊税引き上げの詳細
2025年1月14日、京都市は宿泊税の最高額を1万円に引き上げる方針を発表しました。その後、2月の市議会で改正条例案が可決され、総務大臣との協議を経て、2025年10月3日に正式決定しています。
実施は2026年3月1日から。この改正により、京都市の宿泊税収は従来の約52億円から、なんと約126億円へと2倍以上に増える見込みです。年間74億円の増収って、めちゃくちゃ大きいですよね。
新しい宿泊税の具体的な変更点
税額早見表で一発チェック
ここが一番気になるところですよね。新旧の税額を比較してみましょう。
| 宿泊料金(1人1泊) | 従来の税額 | 新しい税額 | 増額 |
|---|---|---|---|
| 6,000円未満 | 200円 | 200円 | 据え置き |
| 6,000円以上20,000円未満 | 200円 | 400円 | +200円 |
| 20,000円以上50,000円未満 | 500円 | 1,000円 | +500円 |
| 50,000円以上100,000円未満 | 1,000円 | 4,000円 | +3,000円 |
| 100,000円以上 | 1,000円 | 10,000円 | +9,000円 |
※宿泊料金は、食事代や消費税を除いた素泊まり料金のことです。
実はほとんどの人は影響少ない
表を見て気づいた人もいるかもしれませんが、大きく増税されるのは高級宿泊施設だけなんです。
一般的なビジネスホテルや中級クラスの旅館なら、素泊まりで6,000円〜15,000円くらいが相場。つまり、増える税額はわずか200円程度です。1泊200円の増税なら、缶コーヒー1本分くらいですよね。これくらいなら旅行計画に大きな影響はないと言えます。
一方で、1泊10万円を超えるような超高級ホテルや旅館では、税額が1,000円から10,000円へと10倍に跳ね上がります。ただ、そもそも10万円以上のホテルに泊まれる層は、プラス1万円でも予約を取りやめることはないでしょう。むしろこうした富裕層から適切に税収を得て、観光インフラの整備に充てるという考え方は、負担能力に応じた公平な課税だと評価できます。
税収はどこに使われるのか
増えた税収は、具体的にこんなことに使われる予定です。
- オーバーツーリズム対策:混雑緩和のための交通インフラ整備、観光地の分散化施策など
- 市民生活と観光の調和:地域住民の生活環境改善、騒音対策、ゴミ処理体制の強化など
- 観光資源の保全・活用:歴史的建造物の維持管理、文化財保護、新たな観光コンテンツの開発など
つまり、宿泊税の増収分は観光客も地域住民も、みんなが快適に過ごせる京都を作るために使われるわけです。これって、長い目で見たら観光客にとってもプラスになることなんですよね。
増税後の京都はどうなる?独自考察
観光客は減るのか?筆者の見解
ここからは筆者の考察も交えてお話しします。結論から言うと、宿泊税の引き上げで観光客が大きく減ることはないと考えています。
理由は3つあります。
- 実質的な負担増は軽微:前述のとおり、ほとんどの旅行者にとって負担増は200円〜500円程度。旅行の総予算から見れば誤差の範囲です。
- 京都の観光価値は不変:清水寺、金閣寺、伏見稲荷大社など、京都にしかない魅力は色あせません。数百円の税金で京都旅行を諦める人はほとんどいないでしょう。
- インバウンド需要は堅調:円安効果もあって、海外からの観光客は今後も増加すると予想されます。彼らにとって宿泊税は「必要経費」として受け入れられるはずです。
むしろ、税収を活用して観光環境が改善されれば、長期的には観光客の満足度が向上する可能性すらあります。「京都は混雑がひどい」「バスに乗れない」といったネガティブな評判が改善されれば、リピーターも増えるでしょう。
外国人観光客への影響は?
個人的な見解ですが、外国人観光客は宿泊税にほとんど関心がないと考えています。
なぜなら、多くの国では宿泊施設に何らかの税金がかかるのが当たり前だからです。例えばヨーロッパの主要都市では、観光税や都市税として1泊数ユーロ〜10ユーロ以上徴収されることも珍しくありません。アメリカでもホテル税やリゾート税が上乗せされます。
つまり、海外からの旅行者にとって宿泊税は「日本でも同じような税金があるんだな」程度の認識でしょう。まして京都のような世界的観光地なら、多少のコストは織り込み済みのはずです。円安の恩恵もあって、日本旅行は依然として「コスパが良い」と評価されているので、宿泊税の引き上げが外国人観光客の訪日意欲を削ぐことはないと思います。
他の自治体にも波及する可能性
京都市の宿泊税引き上げは、他の観光地にも大きな影響を与えるでしょう。
実は、宿泊税を導入している自治体は京都市だけではありません。東京都、大阪府、福岡市、北海道(倶知安町など)、金沢市、長崎県など、すでに複数の自治体が宿泊税や同様の観光税を徴収しています。しかし、京都市のように最高1万円という高額設定は前例がありません。
もし京都市の宿泊税引き上げが成功すれば(つまり観光客が大きく減らず、税収が予定通り増えれば)、他の観光都市も「うちもやってみようか」となる可能性は高いです。特に、オーバーツーリズムに悩む自治体や、財政が厳しい地方都市にとって、宿泊税の引き上げは魅力的な選択肢になるでしょう。
今後数年で、日本全国の観光地で宿泊税が段階的に引き上げられるというシナリオも十分考えられます。旅行好きとしては、「どこに行っても宿泊税がかかる時代」に備えて、旅行予算の考え方を少し見直す必要があるかもしれませんね。
旅行者が知っておくべきポイントまとめ
予約のタイミングは2026年2月末まで
新しい宿泊税が適用されるのは、2026年3月1日以降の宿泊分からです。つまり、2026年2月末までの宿泊なら、まだ旧税率が適用されます。
もし春休みやゴールデンウィークに京都旅行を考えているなら、増税前に予約を済ませておくのも一つの手です。ただ、前述のとおり一般的なホテルなら増額は200円程度なので、そこまで神経質になる必要はないかもしれません。
賢い宿泊プランの選び方
宿泊税を少しでも抑えたいなら、こんな工夫ができます。
- 素泊まりプランを選ぶ:宿泊税の基準になるのは「素泊まり料金」なので、食事付きプランより素泊まりの方が税額は低くなります(ただし総額では食事代が別途かかるので注意)。
- ビジネスホテルや中級旅館を選ぶ:素泊まり2万円未満の施設なら、増税の影響は最小限です。
- 連泊割引を活用:宿泊税は1泊ごとにかかりますが、連泊割引で宿泊料金自体を下げられれば、トータルでお得になることも。
とはいえ、京都旅行の醍醐味は、やっぱり自分が泊まりたい宿に泊まることですよね。数百円の税金を気にして妥協するより、予算に合った満足度の高い宿を選ぶ方が、旅の思い出としては価値があると思います。
京都旅行はまだまだ魅力的
宿泊税の引き上げと聞くと、「京都旅行が高くなる」とネガティブに捉えがちですが、本質的には京都の魅力は何も変わっていません。
むしろ、増えた税収でオーバーツーリズムが緩和され、混雑が解消されれば、より快適に観光できるようになるかもしれません。地域住民との調和も進めば、観光地としての持続可能性も高まります。
関西人の私たちにとって、京都はいつでも気軽に行ける「近場の観光地」です。日帰りでも十分楽しめますし、たまにはゆっくり1泊して、夜の京都を満喫するのもええもんですよ。宿泊税が多少上がったくらいで、京都の魅力が色あせることは絶対にありません。
2026年3月以降も、変わらず京都を楽しんでいきましょう!
参考記事リンク
- 京都市:令和8年3月1日からの宿泊税の見直しが正式決定
- 京都市の宿泊税、最高1万円に引き上げへ 税収2倍以上 – 日本経済新聞
- 京都市の宿泊税が値上げへ~オーバーツーリズム対策として観光政策とまちづくり両輪での議論が必要~ | SOMPOインスティチュート・プラス
- 京都市:宿泊税について
※本記事の情報は2025年10月14日時点のものです。最新情報については公式サイト等でご確認ください。

