こんにちは!スミスです。
リース業界と聞くと、多くの人はコピー機や社用車、工作機械などを企業に貸し出すビジネスを思い浮かべるでしょう。しかし近年、そのイメージは大きく変わりつつあります。現在の大手リース会社は、もはや「リース会社」というより投資会社・事業会社に近い存在になっているのです。「再生可能エネルギー発電所の開発」「オフィスビルや物流施設への投資」「成長企業のM&A」など、リース業界が手掛ける領域は驚くほど多様化しています。本記事では、「地味」「モノ貸し」というイメージから脱却し、社会課題の解決と収益性を両立させながら進化を続けるリース業界の現在地を、ビジネスモデルの変化から具体的事例まで、わかりやすく解説していきます。
リース業界の進化|「モノ貸し」から「事業投資」へのパラダイムシフト
従来のリースビジネスモデル
従来のリースビジネスは、非常にシンプルな構造でした。企業が必要とするコピー機、パソコン、工作機械、社用車などの設備を、リース会社が購入して企業に貸し出す。企業は初期投資なしで設備を利用でき、リース会社は毎月のリース料で収益を得る。この「金融仲介型」のビジネスモデルが、長年リース業界の中心でした。
このモデルの特徴は、リスクの低さです。リース物件は企業の信用力に応じて貸し出され、リース期間終了後は物件がリース会社に返還されるか、企業が買い取る。比較的安定した収益が見込める一方、成長性には限界がありました。
なぜ「事業投資モデル」へ転換したのか
私個人の考えとしては、リース業界が事業投資モデルへ転換した背景には、3つの構造的要因があると感じています。
第一に、従来型リース市場の成熟化です。コピー機や車両のリースは市場が飽和し、差別化が困難になりました。価格競争が激化し、利益率が低下していく中で、新たな収益源の開拓が必要になったのです。
第二に、低金利環境の長期化です。金利差で稼ぐ伝統的な金融ビジネスモデルでは、十分な収益を確保できなくなりました。そこで、金利差ではなく「事業そのものから生まれるキャッシュフロー」を収益源とする事業投資へとシフトしていったのです。
第三に、ESG(環境・社会・ガバナンス)への要請の高まりです。再生可能エネルギーやサステナビリティへの投資は、社会的意義と収益性を両立できる分野として、リース会社にとって魅力的な投資先となりました。
「リース会社」から「総合金融・投資会社」へ
現在の大手リース会社は、その事業範囲を大きく拡大しています。「リースで培われたノウハウを活かし、レンタル、PPAといったリースから派生した取引により、新たな市場を開拓し、企業・官公庁に対して、これまで以上の付加価値を提供しています」(50周年記念ページ – 公益社団法人リース事業協会)という公益社団法人リース事業協会の報告が示す通り、もはや「モノを貸す」だけの会社ではないのです。
実際、大手リース会社の決算資料を見ると、従来型のリース事業の割合は年々低下し、代わりに事業投資や資産運用による収益が増加しています。これは、リース会社が「金融仲介業」から「事業創造業」へと進化している証拠と言えるでしょう。
再生可能エネルギー・不動産・M&Aの3つの柱
第1の柱:再生可能エネルギー事業への本格参入
リース業界が最も力を入れている分野の一つが、再生可能エネルギー(再エネ)事業です。「芙蓉総合リースやオリックス株式会社なども、近年海外を中心とした再生可能エネルギー開発事業や脱炭素関連事業への投融資へ注力、欧州の再エネ事業会社を積極的に子会社化し、再エネ事業のグローバルキープレイヤーを目指しています」(再生可能エネルギーの企業紹介 – KOTORA JOURNAL)という動きが顕著です。
なぜリース会社が再エネ事業と相性が良いのでしょうか。それは、ビジネスモデルの類似性にあります。太陽光発電所や風力発電所への投資は、初期投資が大きく、投資回収に10年〜20年という長期間を要します。しかし一度稼働すれば、長期にわたって安定したキャッシュフローを生み出します。
これは、まさにリース事業の構造と同じです。大型設備を購入して長期で貸し出し、毎月安定したリース料を回収する。リース会社が長年培ってきた「長期資金調達」「リスク管理」「アセット運用」のノウハウが、そのまま再エネ事業に活かせるのです。
実際、「環境エネルギー本部の事業開発部は、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーによる発電所を開発しており、私はその中で発電量1,000キロワット以上に及ぶメガソーラーの開発を担当しています」(【業界研究】リース業界の事業内容から主要企業6社の最新動向まで徹底解説! | 就職活動支援サイトunistyle)という三井住友ファイナンス&リースの社員の証言が示す通り、若手社員が数十億円規模のプロジェクトを主導するという、ダイナミックな仕事が広がっているのです。
第2の柱:不動産投資と街づくり
不動産分野も、リース会社の重要な収益の柱となっています。オフィスビル、物流施設、商業施設への投資・運営は、リース会社にとって「アセットを持ち、収益を最大化する」延長線上のビジネスです。
私個人の分析としては、リース会社の不動産事業は、単なる不動産投資会社とは異なる強みを持っていると感じます。それは、顧客基盤とファイナンス機能を組み合わせたソリューション提供力です。
例えば、ある企業が新しいオフィスビルを必要としているとします。従来の不動産会社なら物件を紹介するだけですが、リース会社は違います。物件の開発から資金調達、運営管理、さらには将来の売却まで、一貫してサポートできるのです。「通常の融資にはないリースならではのファイナンスサービスやスキームを提案するとともに、社会ニーズの高い環境エネルギー、不動産、ヘルスケア、3R(リデュース、リユース、リサイクル)ビジネスなどの分野を中心に、事業投資・事業運営・ファンド組成など、ファイナンスにとどまらない新たなサービスを提供しています」(就職活動支援サイトunistyle)という形で、包括的な支援が可能なのです。
これは単なる金融取引ではなく、街づくりや企業活動を支える役割も担い始めているという点で、社会的意義も大きいと言えます。
第3の柱:M&Aによる事業会社の買収と経営支援
近年特に目立つのが、M&Aを通じた成長企業の買収です。「2023年1月、芙蓉総合リースがPacific Rim Capital,Inc.(PRC)の株式取得をし連結子会社としたことを発表しました」(リース業界のM&A動向!会社売却のメリットや成功のポイント・事例19選を徹底解説【2025年最新】 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所)という事例が示す通り、リース会社は積極的に事業会社を買収し、グループに取り込んでいます。
このM&A戦略の特徴は、単なる財務投資ではなく、事業支援を伴う戦略投資である点です。リース会社は買収した企業に対し、資金提供だけでなく、経営ノウハウの提供、顧客ネットワークの共有、グループシナジーの創出など、多面的な支援を行います。
これは「資金を貸す」から「事業価値を高める」への転換を意味していると、私は考えます。従来のリースが「モノという資産」を扱っていたのに対し、M&Aは「企業という資産」を扱う。その本質は同じ「アセットビジネス」でありながら、扱う対象とリターンの質が大きく異なるのです。
リース業界の本質的な強みと将来性
長期資金調達力という武器
リース業界の本質的な強みの一つは、長期資金を低コストで調達できる能力です。大手リース会社の多くは、メガバンクや総合商社を親会社に持ち、安定した資金調達基盤があります。また、社債発行や流動化・証券化など、多様な資金調達手段を持っているのも特徴です。
この長期資金調達力は、再エネ発電所や不動産など、投資回収に10年〜20年かかる事業への投資を可能にします。短期的な利益ではなく、長期的なキャッシュフローを見据えた投資ができるという点で、リース会社は他の金融機関にはない優位性を持っているのです。
リスク分散とポートフォリオ経営
私個人が特に重要だと感じるのは、リース業界が景気変動への耐性を高めている点です。物件リースだけに依存していた時代と比べ、現在は収益源が大きく分散されています。
従来型のリース事業、再エネ事業、不動産事業、M&Aによる事業投資。これらがバランスよく組み合わされることで、一つの事業が不調でも他の事業でカバーできるポートフォリオ経営が実現しているのです。
これは投資家にとっても、働く側にとっても大きな安心材料になります。景気が悪化してリース需要が減少しても、再エネ発電所は安定して発電を続け、不動産も長期契約で安定収益を生み出します。こうした収益の多様化が、リース会社の経営安定性を高めているのです。
ESGと収益性の両立
現代の企業経営において、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みは必須要件となっています。リース業界は、このESGと収益性を両立できる希有な業界だと言えます。
再生可能エネルギー事業は、まさにその典型です。気候変動対策という社会的課題の解決に貢献しながら、同時に安定した長期収益を生み出します。また、「リース終了物件の処理が進められていることから資源循環に貢献する機能」(公益社団法人リース事業協会)という3R(リデュース、リユース、リサイクル)への貢献も、リース業界の重要な社会的役割です。
こうしたESGと収益性の両立は、今後ますます重要になっていくでしょう。企業が社会的責任を果たしながら利益を上げることが求められる時代において、リース業界はその先頭を走っていると言えるのです。
まとめ|静かだが戦略的なプレイヤーとして
リース業界は、もはや「縁の下の力持ち」や「地味なモノ貸しビジネス」ではありません。再生可能エネルギー発電所の開発、不動産投資と街づくり、M&Aによる事業創造。これらを通じて、社会課題の解決と収益性を両立させる、静かだが極めて戦略的なプレイヤーへと進化しています。
私個人の考えとしては、リース業界の進化は、まだ始まったばかりだと感じています。今後は、EaaS(Energy as a Service)のような新しいサブスクリプション型サービス、AI・IoTを活用した資産管理サービス、さらには医療・ヘルスケア分野への進出など、さらなる事業領域の拡大が予想されます。
就職・転職を考えている方にとって、リース業界は非常に魅力的な選択肢です。「入社1年目から主担当としてプロジェクトを任せていただき、先輩の助けを得ながら無事に成功させることができています」( 就職活動支援サイトunistyle)という証言が示す通り、若手のうちから数十億円規模のプロジェクトに携わることができる、ダイナミックな仕事が待っています。
投資家にとっても、リース会社は注目すべきセクターです。長期安定収益、リスク分散されたポートフォリオ、ESGと収益性の両立。これらの特性は、長期投資に適した企業の条件を満たしています。
リース業界は「貸す」だけではありません。再エネで社会課題を解決し、不動産で街をつくり、M&Aで企業を育てる。そんな多面的な価値創造を行う、次世代の金融・投資会社として、今後さらなる成長が期待される業界なのです。
参考記事リンク
- 50周年記念ページ – 公益社団法人リース事業協会
- 再生可能エネルギーの企業紹介 – KOTORA JOURNAL
- 【業界研究】リース業界の事業内容から主要企業6社の最新動向まで徹底解説! | 就職活動支援サイトunistyle
- リース業界のM&A動向!会社売却のメリットや成功のポイント・事例19選を徹底解説【2025年最新】 | M&A・事業承継ならM&A総合研究所
- PwC Japan – DX/ニューノーマル時代におけるDX/ニューノーマル時代におけるリース業界の将来展望 | PwC Japanグループリース業界の将来展望
※本記事の情報は2025年12月27日時点のものです。最新情報については公式サイト等でご確認ください。

