こんにちは!スミスです。
2025年、ロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズ2連覇を達成しました。大谷翔平選手、山本由伸投手らを擁するドジャースは、2026年に史上最難関とも言われる3連覇に挑みます。しかし、この3連覇とは一体どれほどの偉業なのでしょうか。
MLB(メジャーリーグベースボール)120年以上の歴史の中で、ワールドシリーズ3連覇を達成したチームはわずか3回のみ。最後に達成したのは1998年から2000年のニューヨーク・ヤンキースで、実に四半世紀以上も前のことです。本記事では、MLB連覇の歴史を振り返りながら、ドジャースが挑む3連覇がどれほど困難で価値ある挑戦なのかを詳しく解説していきます。
ドジャースの2連覇達成と2026年への期待
25年ぶりの快挙を成し遂げたドジャース
2025年、ドジャースはトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦を制し、MLB史上14組目となる2連覇を達成しました。
「MLBで連覇を達成したのは2000年のヤンキース以来、実に25年ぶりの快挙」となります。
Back-to-Back World Series Champions
試合は3対0とリードされながらも9回に追いつき、延長11回に勝ち越しという劇的な幕切れでした。このシリーズでワールドシリーズMVPに輝いたのは山本由伸投手で、第6戦と第7戦で連投し勝利を挙げるという偉業を成し遂げています。
2026年に向けた「スリーピート」宣言
優勝パレードで、デイブ・ロバーツ監督は「2よりも良いものは何だ?3だ!スリーピート!スリーピート!」と宣言しました。この言葉は元ロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチ、パット・ライリー氏が商標登録した有名なフレーズで、ロバーツ監督は友人であるライリー氏から許可を得て使用したとのことです。
大谷翔平選手も「もう3度目のことを考えている」とコメントし、フレディ・フリーマン選手は「2024年の仕事は完了、2025年の仕事も完了。2026年の仕事は今から始まる」と力強く語りました。
日本人トリオが牽引するドジャース
ドジャースには現在、大谷翔平選手、山本由伸投手、そして2025年に加入した佐々木朗希投手という3人の日本人選手が在籍しています。佐々木朗希投手は23歳でドジャースにマイナー契約で加入し、大谷翔平選手に次いで日本人選手としては史上2例目の若さでのMLB挑戦となりました。
MLBワールドシリーズ連覇の歴史
2連覇達成チームは史上14組のみ
ワールドシリーズが始まった1903年以降、少なくとも2年連続で優勝したチームは14組しかありません。
Back-to-Back World Series Champions
この事実だけでも、連覇がいかに難しいかがわかります。
主な2連覇達成チームをご紹介します。
- 1915-1916年 レッドソックス:まだベーブ・ルースが投手として活躍していた時代の連覇
- 1977-1978年 ヤンキース:2年連続でドジャースを破っての連覇
- 1992-1993年 ブルージェイズ:カナダのチームとして初の連覇
- 1998-2000年 ヤンキース:最後の3連覇達成チーム
- 2024-2025年 ドジャース:25年ぶりの連覇達成
最長連覇記録は驚異の5連覇
MLB史上最長の連覇記録は、1949年から1953年にヤンキースが達成した5連覇です。
この偉業は、ジョー・ディマジオのキャリア晩年とミッキー・マントルのキャリア初期をまたぐ、ヤンキース王朝時代の象徴的な記録となっています。
この期間、ディマジオは最後の3つのリングを獲得し、若きマントルは最初の3つのリングを獲得しました。ヨギ・ベラとフィル・リズートは5つすべての優勝チームに在籍していました。
https://www.mlb.com/news/back-to-back-world-series-champions-c297636124
ヤンキースは他にも、
- 1936-1939年:4連覇
- 1998-2000年:3連覇
という記録を持ち、ヤンキースは通算27回のワールドシリーズ優勝を誇り、MLB最多記録となっています。
1970年代の連覇ラッシュ
1972年から1978年の7年間で、オークランド・アスレチックス(1972-1974年)、シンシナティ・レッズ(1975-1976年)、ニューヨーク・ヤンキース(1977-1978年)の3チームのみがワールドシリーズを制覇しました。これはワールドシリーズ史上唯一、3チームが連続して連覇を達成した時期です。
3連覇の難しさと挑戦
なぜ連覇は困難なのか
メジャーリーグベースボールは、主要なアメリカのスポーツリーグの中で、連覇を達成するのが最も難しいリーグと言われています。その理由はいくつかあります:
- プレーオフの拡大:1995年以降、プレーオフ出場チームが増加し、現在は12チームが出場。より多くのラウンドを勝ち抜く必要がある
- 野球の特性:短期シリーズでは運や偶然の要素が大きく、実力通りの結果が出にくい
- フリーエージェント制度:1970年代半ばに導入されたFA制度により、戦力の流動性が高まった
- シーズンの長さ:162試合のレギュラーシーズンとプレーオフを通じてコンディションを維持する難しさ
2025年ドジャースは、MLB史上初めて3ヶ月にわたってポストシーズンの試合を行ったチームとなり、その過酷さがうかがえます。
3連覇を達成したチームの特徴
MLB史上で3連覇以上を達成したチームは、以下の3つのみです。
- 1972-1974年 オークランド・アスレチックス:3連覇
- 1998-2000年 ニューヨーク・ヤンキース:3連覇
- 1949-1953年 ニューヨーク・ヤンキース:5連覇
これらのチームに共通するのは、
- 安定した投手陣:複数のエース級投手を擁していた
- チームの一体感:主力選手が複数年在籍し続けた
- 圧倒的な戦力:レギュラーシーズンでもリーグトップクラスの成績
3連覇に挑んで失敗したチーム
過去には2連覇後に3連覇を狙いながら失敗したチームも多数あります。例えば、
- 2001年 ヤンキース:3連覇中だったが、ワールドシリーズでアリゾナ・ダイアモンドバックスに敗退
- 1979年 ヤンキース:1977-1978年に連覇後、3連覇を目指すもピッツバーグ・パイレーツに敗れる
連覇を達成した翌年は、相手チームからマークされ、選手の疲労も蓄積するため、さらに高いレベルでの戦いが求められます。
2026年、ドジャースの3連覇への道
ドジャースの強み
ドジャースは2026年ワールドシリーズのオッズで+350の最有力候補となっています。
Ohtani, Dodgers Already Talking About World Series Three-Peat | Los Angeles, CA Patch
その理由として、
- 充実した投手陣:山本由伸、ブレイク・スネル、タイラー・グラスノー、佐々木朗希らを擁する
- 大谷翔平の二刀流復活:2026年は投手としても制限なくプレーできる可能性があり、これまで不可能と思われたことを実現するかもしれない
- 強力な打線:フレディ・フリーマン、ムーキー・ベッツ、マックス・マンシーらが健在
- 豊富な資金力:優秀な選手を獲得し続けられる経済力
ドジャース編成本部長のアンドリュー・フリードマンは、この時期を『ドジャース野球の黄金時代』と呼んでいます。
立ちはだかる強豪チーム
しかし、3連覇への道は険しいものです。ドジャースに挑戦する主な強豪チームには、
- ニューヨーク・ヤンキース:2024年にドジャースに敗れた雪辱を果たすべく、戦力強化に動いている
- サンディエゴ・パドレス:ダルビッシュ有投手らを擁し、同地区のライバルとして脅威
- ニューヨーク・メッツ:ドジャースを模範に高額な補強を進めている
- フィラデルフィア・フィリーズ:2025年のプレーオフでドジャースと対戦した強豪
これらのチームは、ドジャースからタイトルを奪い取ろうと狙っています。
元ヤンキース監督からの警告
1998年から2000年に3連覇を達成したヤンキースの監督だったジョー・トーリは、ロバーツ監督に対して『目標を高く設定するのは良いが、スローガンに振り回されないように』と助言しています。
Yankees Legend Warns Dodgers About ‘Three-Peat’ Ambition
トーレ氏は「野球は大きな宣言を罰する。一日一日を大切にすることが重要だ」と語り、3連覇には6ヶ月間すべてのことを正しく行い、さらに10月にもそれを続ける必要があると強調しました。
ドジャースに残る課題
ドジャースにもいくつかの課題があります。
- 投手陣の健康管理:グラスノーはフルシーズンで134イニング以上投げたことがなく、山本由伸も初年度は腱板損傷で18試合の登板にとどまった
- フリーエージェント選手の補充:2025年のチャンピオンチームから数名の選手が退団予定
- 若手選手の台頭:佐々木朗希投手など新戦力の適応
歴史に名を刻む挑戦
ドジャースは過去6年間で3度のワールドシリーズ優勝、過去9年間で5度のナショナルリーグ優勝、過去13年間で12度の地区優勝を達成しています。『定義的には王朝と言える』とフリードマン編成本部長も認めています。
Ohtani, Dodgers Already Talking About World Series Three-Peat | Los Angeles, CA Patch
もし2026年に3連覇を達成すれば、四半世紀ぶりの快挙であり、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希という日本人トリオが歴史に名を刻むことになります。
『3連覇は不可能に近い』と多くの専門家が語っていますが、ドジャースは異なる基準でプレーしているというコメントもあり、期待が高まります。
まとめ
ワールドシリーズ3連覇は、MLB史上でもわずか3回しか達成されていない超難関の偉業です。最後の達成から25年以上が経過し、現代野球ではさらに困難になっています。しかし、大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手という日本人トリオを擁するドジャースなら、この歴史的偉業を成し遂げる可能性があります。2026年シーズン、ドジャースの挑戦をしっかりと応援していきましょう。

