こんにちは!スミスです。
スーパーのレジに並ぶたびに「また高くなった」と感じる機会が増えていないでしょうか。食料品の値上がりはここ数年で急激に進み、家計管理をする方にとって毎週の買い物が頭の痛い問題になっています。そんな中、買い物の現場で確実に広がっているのがPB(プライベートブランド)商品への乗り換えです。イオンの「トップバリュ」やセブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」など、大手チェーンが力を入れるPB商品は、今や「安かろう悪かろう」という昔のイメージとはまったく異なる存在になってきました。
本記事では、物価高が続く時代にPBシフトが広がっている背景と実態を整理したうえで、共働き世帯が無理なく実践できる賢いPB活用術をご紹介します。「全部PBに替えるべきか」「どのカテゴリーから試せばよいか」といった疑問にも、具体的な視点でお答えしていきます。
食料品の値上がりはどこまで続くのか?―PBシフトが始まった背景―
物価上昇は依然として続いている
総務省が公表する消費者物価指数によれば、「2025年の全国消費者物価指数(総合)は前年比3.2%の上昇」(統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の年平均結果の概要)) となっており、食料品を中心に物価の高止まりが続いています。とくに米類やチョコレート、コーヒー豆などは2020年比で大幅な値上がりが報告されており、家庭の食費に与える影響は小さくありません。
私個人の考えとしては、この物価上昇の背景には単純な「値上げラッシュ」にとどまらない構造的な問題があると見ています。円安による輸入原材料コストの上昇、物流費の高止まり、そして賃上げに伴う人件費増加という三重苦が食品メーカーにのしかかっており、2026年以降も完全な価格の落ち着きを期待するのは楽観的すぎると言わざるを得ません。家計を守るためには、補助金などの一時的な恩恵に頼るのではなく、日々の買い物の「構造」そのものを見直す視点が必要です。
生活防衛意識の高まりとPBへの注目
食料品の値上がりが続く中、スーパー各社ではある明確な傾向が生まれています。矢野経済研究所の調査によれば、「物価高騰による生活防衛意識の高まりから、NB(ナショナルブランド)商品の販売が伸び悩む一方、PB(プライベートブランド)商品の売上が伸長する傾向が見られた」(食品小売市場に関する調査を実施(2025年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所) とのことです。
この変化は一部の節約意識が高い消費者に限った話ではありません。私が注目するのは、PBシフトが「節約を意識した特別な行動」ではなく、「普通の買い物の一部」として定着しつつある点です。以前であれば、NB商品を基準に買い物かごを埋めていた家庭が、今は「PBで十分なもの」「NBでなければならないもの」と自然に仕分けるようになってきています。この変化は消費者の価値観そのものが変わってきているサインであり、一時的なブームではなく構造的なシフトと捉えるべきではないでしょうか。
スーパー各社の売上データが示すリアル
スーパーの実際の販売データを見ると、PBへの移行がより鮮明に浮かび上がります。直近1年間(2024年3月〜2025年2月)のスーパー全国データでは、「PBが数量前年比102%、金額前年比107.5%とNBを大きく上回る数字となっており、値段の高いNB商品からPB商品にシフトしている様子がうかがえます」(株式会社マーチャンダイジング・オン) とのことです。
数量ベースでNBが落ち込む中でPBが伸びているという事実は、消費者が「より安いものを選んでいる」というよりも「価値のある選択をしている」ことを示唆しています。品質が一定水準以上でなければ、数量面での伸びは起きません。PBの品質向上が実際に消費者の信頼を獲得していることの証左といえるでしょう。
PB商品の実態―「安さ」だけではなくなった理由―
大手PBの売上規模と品質の進化
現在の大手PBがどれほどの規模に成長しているかを示すデータがあります。日本経済新聞の報道によれば、「セブン&アイ・ホールディングスの自社PB『セブンプレミアム』の累計売上高(販売ベース)が2023年度に15兆円の大台を超えた」(セブン、PB「セブンプレミアム」累計売上高15兆円に – 日本経済新聞) とのことです。また、同記事ではイオンのトップバリュについても、2024年2月に売上高1兆10億円となったことが紹介されています。
私個人の考えとしては、この規模感こそがPBの品質を底上げした最大の要因だと思っています。大量に売れるからこそ、大手メーカーとの製造委託関係が強固になり、製造品質を安定させる設備投資も進みます。かつてPBは「メーカーの余剰ラインで作った二番手商品」というイメージがありましたが、今や専用ラインを設けて製造するケースも増えています。また、セブンプレミアムがメーカー名を商品ラベルに記載するなど、透明性の確保が消費者の安心感につながっている側面も見逃せません。
さらに、現在のPBは単なる低価格帯にとどまりません。「セブンプレミアムゴールド」のような上位グレードが設定され、本格的な味わいを求める消費者にも対応する多層構造になっています。これは、PBが「安さだけを求める人のもの」から「賢くコスパを追求する人のもの」へと変質したことを意味します。
なぜPBはNBより安く販売できるのか
PBが同等品質のNBより安く販売できる理由を理解しておくことは、消費者として賢い選択をするうえで重要です。端的に言えば、PBにはテレビCMなどの大規模広告費が不要であり、流通の中間マージンも発生しません。小売業者が自ら企画・発注し、自社店舗でのみ販売するため、コスト構造がNBとは根本的に異なるのです。
私が注目するのは、この「コスト構造の違い」が消費者にとって非常に有利に機能するという点です。NBの価格には、ブランド認知のための広告費やメーカーの利益、問屋の利益などが積み重なっています。PBではそれらが省かれ、その分が価格に還元されます。つまり、食品の中身そのものの価値に対して、より直接的なお金の払い方ができるのがPBといえます。もちろん、有名メーカーの「ブランド力」や「信頼」に価値を感じるのであれば、その分を払う意義もあります。重要なのは、その価格差が何に対して支払われているのかを意識することでしょう。
小売業者がPBに注力する背景
消費者にとってPBはお得な選択肢ですが、小売業者にとっても重要な戦略的意味を持ちます。競争が激化するスーパー業界では、PBの拡充が収益性改善の柱の一つになっています。「ヨーク・ホールディングスは価格訴求型のPB『セブン・ザ・プライス』の拡大を進め、イオングループはPB『トップバリュ』を商品戦略の中軸に据える方針を打ち出している」(「PB偏重」が加速する食品小売業、NB集約の流れは必然か _流通・小売業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】) という状況は、PBが小売業界全体の構造変化を促していることを示しています。
私個人の考えとしては、このような小売業者側の積極的なPB強化の流れは、消費者にとって追い風と捉えることができます。小売が利益をPBに求める以上、品質と品揃えへの投資は今後も続くでしょう。つまり、PBの選択肢はこれからさらに広がり、品質も底上げされていく可能性が高いのです。消費者としては、このタイミングでPBの活用を本格的に検討することに合理性があると思います。
カテゴリー別に見る賢いPB活用術
PBに向いているカテゴリーとは
すべての食品をPBに置き換えることを目指すのは、現実的でも最適でもありません。カテゴリーによって、PBが優位な場合とNBを選ぶ合理性がある場合があります。まず、PBへの切り替えを検討しやすいカテゴリーを整理してみましょう。
- 牛乳・豆腐・水・炭酸水:品質の差が生まれにくく、購入頻度も高い。PB比率が高く、消費者の満足度も安定している分野です。
- 冷凍野菜・冷凍素材(冷凍農産素材など):素材そのものの品質が問われるため、産地や製法が明示されているPBであれば安心して選べます。
- 食用油・調味料(塩・砂糖・酢など):基本的な調味料は原材料がシンプルで差が出にくく、PBとNBの品質差を感じにくいカテゴリーです。
- ペットボトル飲料(水・お茶):ブランドへのこだわりが薄く、価格差を直接メリットとして実感しやすい分野です。
- 魚練り製品(かまぼこ・ちくわなど):データでもPB比率が高く、日常的な食卓への登場頻度を考えると節約効果が積み重なりやすいです。
私が注目するのは「購入頻度の高さ×品質差の出にくさ」という組み合わせです。毎週必ず買うものでPBに切り替えれば、わずか数十円の差でも年間にすると数千円単位の節約につながります。特に共働き世帯では、買い物の回数も多いため、この積み上げ効果が大きく働きます。
NBを選ぶ合理性があるカテゴリー
一方、NBを選ぶことに合理性があるカテゴリーも存在します。具体的には、味や香りへのこだわりが強い嗜好品(ビール・ヨーグルト・チョコレートなど)、特定のメーカーの製法や風味が日常の楽しみになっているもの(好みのコーヒー、ソース、ドレッシングなど)は、PBへの切り替えによって満足度が下がる可能性があります。
私個人の考えとしては、「節約のためにすべてをPBに」という発想は必ずしも正解ではないと思っています。食の楽しみを失うほどの節約は、生活の質を下げ、長続きしません。「これはNBでなければ満足できない」と感じるものを明確にしたうえで、そこには予算を確保し、それ以外の日用品的な食品をPBで補う、というメリハリのある使い分けが最も持続可能な家計防衛策だと思います。節約の目的は「我慢すること」ではなく、「同じ満足をより賢く手に入れること」のはずです。
カテゴリー別の使い分け実践表
参考として、カテゴリー別の使い分けイメージをまとめました。
- PBへの切り替えを検討しやすいもの:牛乳、豆腐、水・炭酸水、冷凍野菜、塩・砂糖・酢、サラダ油、食パン(一般的なもの)、ティッシュ・トイレットペーパー(日用品)
- NB・PBを比較して選ぶもの:カレールウ、パスタ・パスタソース、ケチャップ、マヨネーズ、醤油
- NBを優先しやすいもの:ビール・発泡酒、好みのヨーグルト、菓子類、コーヒー豆・インスタントコーヒー
なお、この分類はあくまで一般的な傾向であり、最終的には「自分が試してみて満足できるかどうか」が判断基準になります。同じカレールウでも、PBで十分おいしいと感じる方もいれば、特定のNBにこだわりを持つ方もいます。まずは試してみることが大切です。
2026年に向けた家計防衛の現実的なステップ
「まず3品目」から始める実践アプローチ
PBへの切り替えを考えている方に向けて、私が最も現実的だと考えるアプローチをご提案します。それは、いきなり全面的に切り替えるのではなく、「まず自分が毎週必ず買っている3品目をPBに替えてみる」というものです。
具体的な手順としては、次のように考えると取り組みやすいでしょう。まず、1か月分のレシートや家計アプリを振り返り、食品の中で「購入頻度が高く、かつ特別なこだわりがないもの」を3つ選びます。次に、その3品目をPBに切り替えて1〜2か月試してみます。満足度が問題なければそのまま継続し、他の品目にも対象を広げていく。満足できなければ、そのカテゴリーだけNBに戻す。これだけです。
このアプローチの良いところは、リスクが小さく、自分の生活に合ったペースで進められる点です。年間の節約効果を計算すると、購入頻度の高い品目でPBとNBの価格差が数十〜百円程度あるとすれば、3品目×週1購入として試算しただけで年間数千円から1万円超の節約も十分に現実的です。大きな生活の変化ではなく、小さな選択の積み重ねが家計防衛の王道です。
2026年以降のPB市場と消費行動の展望
小売業界の動向を見ると、PBへの注力はより一層強まる可能性があります。矢野経済研究所は「2025年の国内食品小売市場規模を前年比102.1%の54兆5,200億円と予測」(矢野経済研究所) しており、市場全体が成長する中でPBのシェアも拡大することが予想されます。
私個人の考えとしては、2026年以降のPB市場にはいくつかの注目すべき変化があると見ています。一つは、PBの品質軸が「低価格」から「コストパフォーマンス」へとさらにシフトすることです。健康志向や国産素材へのこだわりを取り込んだPBが増えることで、選択肢がより豊かになるでしょう。また、デジタル技術を活用した購買データの分析により、消費者の好みに合わせた商品開発が加速することも予想されます。
もう一つの注目点は、円安リスクです。食料品価格は輸入原材料の価格に大きく左右されます。円安が続く局面では、輸入コストが上昇してNBの値上げ圧力が高まる可能性があります。その場合、製造コストを国内でコントロールしやすいPB商品の価格競争力が相対的に高まる可能性もあり、PBへのシフトがさらに加速するシナリオも考えられます。
「自分の判断軸」を持つことが最大の節約術
最後に、私が最も強調したいことをお伝えします。それは、PBかNBかという二択の問題として考えるのではなく、「自分にとって価格と品質のバランスが取れているかどうかを判断できる力」を持つことが、物価高時代における最大の武器だということです。
値上げの波は今後も続く可能性があります。しかし、判断の基準を持っている人は、どのような状況でも「自分の生活に合った最適解」を見つけることができます。PBの活用はその一手段に過ぎません。大切なのは、「安いから選ぶ」でも「有名だから選ぶ」でもなく、「なぜこれを選ぶのか」という自分なりの理由を持つことです。今日の買い物から、ぜひ意識してみてください。
まずは購入頻度の高い3品目から試してみましょう。それだけで、あなたの家計は少しずつ変わり始めるはずです。
※本記事の情報は2026年2月24日時点のものです。最新情報については公式サイト等でご確認ください。

