【2025年最新】札幌ドーム決算を徹底解説!2期ぶり黒字の裏側と今後の課題

こんにちは!スミスです。
北海道のスポーツファンなら誰もが知る札幌ドーム。日本ハムファイターズの移転により大きな転換期を迎えた同施設が、ついに2期ぶりの黒字を達成しました。しかし、その裏には複雑な事情が隠されています。本記事では、2025年3月期決算の詳細から見えてくる札幌ドームの現状と未来について、初心者にも分かりやすく解説します。

札幌ドーム決算の基本情報

2025年3月期決算の概要

2025年6月23日に発表された札幌ドーム(正式名称:大和ハウスプレミストドーム)の決算は、多くの関係者にとって朗報となりました。当期純利益4200万円の黒字を達成し、前年度の6億5100万円という過去最悪の赤字から見事に回復したのです。

主な決算数値は以下の通りです。

  • 売上高:17億8700万円(前期比5億1500万円増)
  • 経常利益:4300万円(前期は5億6000万円の損失)
  • 当期純利益:4200万円(前期は6億5100万円の損失)
  • 総来場者数:118万7000人(前期比8.5%増)

日本ハム移転後初の決算

この決算は、北海道日本ハムファイターズが2023年にエスコンフィールド北海道へ移転した後、初めての通年決算となります。長年にわたって札幌ドームの主要テナントだった日本ハムの移転は、同施設の経営に大きな影響を与えていました。

※2023年3月期(日本ハム最後の年度)の売上高は12億7100万円でした。

黒字転換の要因と新たな取り組み

新規イベントの積極的な誘致

札幌ドームが黒字転換を果たした最大の要因は、多様なイベントの積極的な誘致です。従来の野球・サッカー中心から脱却し、以下のような新分野のイベントを開催しました。

  • eスポーツ世界大会:「APEX LEGENDS GLOBAL SERIES YEAR 4 CHAMPIONSHIP」
  • カードゲーム大会:「ポケモンカードゲームチャンピオンズリーグ2024札幌」
  • ラグビー:ジャパンラグビーリーグワンの試合
  • サッカー:北海道コンサドーレ札幌のJリーグ公式戦

この結果、総イベント開催日数は129日(前期比31日増)となり、稼働率も70.4%(前期比7.8ポイント増)まで回復しました。

ネーミングライツ契約の効果

2024年8月に大和ハウス工業とネーミングライツ(命名権)契約を締結し、「大和ハウスプレミストドーム」となったことも収入増に大きく貢献しました。ネーミングライツ収入は安定的な収益源として、今後の経営安定化に重要な役割を果たすと期待されています。

新体制での経営改革

2025年6月には新たに阿部晃士氏が社長に就任しました。大手旅行会社JTBの元北海道広域代表として豊富な経験を持つ阿部氏は、「第2の創業という意気込みで抜本的に営業を見直す」と表明し、経営改革への強い意欲を示しています。

決算の裏にある「カラクリ」とは

スポーツ振興基金からの補填

今回の黒字転換には、実は特殊な会計処理が関わっています。札幌ドームでは、アマチュア団体の非営利イベント向けに使用料の減免制度を設けており、2024年度は27日間で計1億6800万円の減免が行われました。

従来、この減免分はドーム社の年間利益で補填していましたが、2024年度は以下の方法で対応しました。

  • 札幌市からの補助
  • 過去のドーム社利益を積み立てた「スポーツ振興基金」からの補填

この補填額が収入として計上されたため、実質的には「過去の利益の繰り入れ」という側面があることを理解しておく必要があります。

売上高の水準はまだ回復途上

17億8700万円という売上高は確かに前年比で大幅増となりましたが、日本ハムが本拠地としていた2022年度以前の水準には及んでいません。過去のピーク時(2006-2009年頃)には30億円台後半の売上高を記録していたことを考えると、まだ回復の途上にあると言えるでしょう。

今後の展望と課題

多角的な施設活用戦略

阿部新社長は今後の方針として、以下の取り組みを掲げています。

  • アーティスト利用の積極的な誘致
  • 大型イベント以外での利用機会の拡大
  • 平日開催イベントの増加
  • 市民・道民により身近な施設づくり

「愛される施設を目指す」という言葉からは、これまでのプロスポーツ中心の運営から、より地域密着型の多目的施設への転換を図る姿勢が見て取れます。

継続的な経営課題

黒字転換は達成したものの、札幌ドームが抱える課題は依然として多く存在します。

  • 安定的な収益基盤の確立
  • 施設の老朽化対策(開業から20年以上経過)
  • 冬季利用の促進(北海道特有の課題)
  • 競合施設との差別化

地域経済への貢献

札幌ドームは単なる興行施設ではなく、北海道の観光・経済の重要な拠点でもあります。年間118万人を超える来場者数は、地域の飲食・宿泊・交通産業にも大きな経済効果をもたらしています。今後もこの役割を維持・発展させることが期待されています。

まとめ

札幌ドームの2025年3月期決算は、困難な状況からの「復活の第一歩」と評価できます。ただし、その黒字には特殊要因も含まれており、真の経営安定化にはまだ時間がかかると考えられます。

新体制のもとで多角的な施設活用を進め、地域に愛される施設として持続可能な経営を実現できるかが今後の焦点となるでしょう。北海道のスポーツファン・エンターテイメントファンとしては、札幌ドームの今後の取り組みに注目していきたいところです。

それでは!


参考記事リンク

※本記事の情報は2025年6月23日時点の公開情報に基づいています。最新の情報については各公式サイトをご確認ください。

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