こんにちは!スミスです。
野球をやっていて肩の痛みに悩んでいませんか?腕を上げると肩が痛い、投球動作で違和感がある、夜中に肩がズキズキ痛む…そんな症状があれば、それは肩のインピンジメント症候群かもしれません。実は私も現役時代にこの症状に悩まされ、一時は投球することすらままならない状態でした。しかし、適切な治療法とリハビリによって約3か月で完全に症状を改善することができました。この記事では、私の実体験をもとに、肩のインピンジメント症候群の治し方を詳しく解説します。同じ悩みを抱える野球選手やピッチャーの皆さんの参考になれば幸いです。
肩のインピンジメント症候群とは?基本知識と症状
インピンジメント症候群の基本概要
インピンジメント症候群は、腱板断裂などのはっきりとした損傷を伴わずに肩の痛みを起こす疾患の一つで、肩のこすれや挟まりこみなどが原因になると考えられています。英語では「impingement syndrome」と呼ばれ、「突き当たる」「衝突する」という意味があります。
この症候群は、肩の中で腱板(けんばん)や滑液包(かつえきほう)といった軟部組織が骨の間で挟まり、炎症や損傷を引き起こす状態を指します。特に野球のピッチャーなど、繰り返し肩を使うスポーツ選手に多く見られる症状です。
主な症状と特徴
私が実際に経験した症状を含め、インピンジメント症候群の典型的な症状をご紹介します。
- 腕を頭上に持ち上げる際の痛み(特に60-120度の角度で強い痛み)
- 投球動作時の違和感や痛み
- 夜間の痛み(痛い方の肩を下にして寝ると痛む)
- 肩の可動域制限(腕が上がりにくい)
- 筋力低下(重い物を持ち上げる際の力の入らなさ)
腕を上げるとき、途中が痛くて、上げきってしまえば痛くないというのが一番の特徴的な症状です。これは私も全く同じ症状を経験しており、特に投球フォームの途中で激痛が走ることがありました。
なぜピッチャーに多いのか?
特に野球に代表されるオーバーヘッド競技者の場合、肩甲胸郭の機能障害が原因でインピンジメント症状が生じることが多いとされます。投球動作は肩関節に大きな負荷をかけ、繰り返し行うことで以下の問題が生じやすくなります。
- 肩甲骨の動きの制限
- 肩関節周囲筋の柔軟性低下
- インナーマッスル(腱板筋群)の機能不全
- 投球フォームの崩れ
実践した治療法|ストレッチとリハビリの重要性
治療の基本方針
インピンジメント症候群にはまず飲み薬や注射、リハビリテーションを組み合わせた保存治療が行われます。多くは保存治療で症状が軽快します。私の場合も手術は行わず、保存的治療で完全に症状を改善することができました。
私が実践した治療法の柱は以下の3つです。
- ストレッチによる柔軟性改善
- 筋力トレーニング(特にインナーマッスル)
- 適切な安静とコンディショニング
効果的なストレッチ方法
症状改善に最も効果があったストレッチをご紹介します。※痛みが強い時期は無理をせず、徐々に可動域を広げていくことが重要です。
1. クロスボディストレッチ
- 痛む腕を反対側の手で胸の前に引き寄せる
- 30秒キープを3セット
- 後方関節包(関節の後ろ側の袋)の柔軟性向上に効果的
2. 内旋ストレッチ
- 壁に手をついて、肩を内側に捻るようにストレッチ
- 20-30秒キープを3セット
- 投球動作での可動域改善に有効
3. 胸筋・前肩ストレッチ
- ドアフレームに手をついて、胸を前に押し出す
- 猫背姿勢の改善と肩関節の位置正常化
段階的なリハビリテーション
私の経験では、リハビリは段階的に進めることが重要でした。
第1段階(発症後1-2週間):痛みのコントロール
- アイシング(炎症の抑制)
- 痛みの出ない範囲での軽いストレッチ
- 投球動作の完全休止
第2段階(3-6週間):可動域の改善
- より積極的なストレッチング
- 軽度の筋力トレーニング開始
- 日常生活動作での痛みの軽減確認
第3段階(6-12週間):機能回復とスポーツ復帰準備
- インナーマッスル強化の本格化
- 投球動作の段階的再開
- 予防のための体幹トレーニング
インナーマッスル強化が回復の鍵
なぜインナーマッスルが重要なのか
動作の際にインナーマッスルがうまく働かず、アウターマッスルばかりを使ってしまうと、肩関節の安定性が損なわれ、インピンジメント症候群を引き起こしやすくなります。
肩のインナーマッスル(腱板筋群)は以下の4つの筋肉から構成されます。
- 棘上筋(きょくじょうきん):腕を上げる動作の主役
- 棘下筋(きょっかきん):肩を外側に回転させる
- 小円筋(しょうえんきん):棘下筋と協力して外旋を担う
- 肩甲下筋(けんこうかきん):肩を内側に回転させる
私が実践したインナーマッスル強化法
回復期間中、私は元プロ野球選手の馬原氏のYouTube動画を参考にインナーマッスル強化に取り組みました。以下のリンクの動画が非常に参考になりました。
トレーニング時の注意点
インナーマッスル強化において私が学んだ重要なポイントは以下です。
- 決して無理をしない:痛みが出たら即座に中止
- 軽い負荷から開始:重すぎる負荷はアウターマッスルを優位にする
- 正確な動作:回数よりも動作の質を重視
- 毎日継続:短時間でも毎日行うことが重要
- 段階的な負荷増加:2-3週間ごとに負荷や回数を調整
完治までの道のりと予防法
3か月間の治療経過
私の実際の回復過程をお話しします。完治までに数カ月単位の時間がかかる点があげられるでしょうとあるように、インピンジメント症候群の治療には時間がかかります。
1か月目:痛みとの闘い
- 日常生活でも痛みがある状態
- 夜間痛で睡眠の質が低下
- 投球は完全に休止
- ストレッチと軽いリハビリが中心
2か月目:改善の兆し
- 日常生活での痛みが軽減
- 可動域が少しずつ改善
- インナーマッスル強化を本格化
- 軽いキャッチボールを再開
3か月目:ほぼ完治
- 痛みはほぼ消失
- 投球動作での違和感も改善
- 本格的な練習を再開
- 予防のためのコンディショニング継続
再発防止のための予防法
完治後も再発防止のため、以下の習慣を続けています。
日常的な予防策
- 練習前後のストレッチ:最低15-20分は確保
- 投球数の管理:無理な連投は避ける
- フォームチェック:定期的な動作分析
- 体幹トレーニング:週3回以上の継続
セルフチェック項目
- 朝起きた時の肩の状態
- 投球後の違和感の有無
- 可動域の変化
- 筋力低下の兆候
治療を成功させるための心構え
以下が3か月間の治療を通して学んだことです。
焦りは禁物
完治を急いで無理をすると、かえって治療期間が長引きます。段階的な回復を信じて継続することが重要です。
専門家との連携
理学療法士や医師との定期的な相談により、適切な治療方針を維持できました。
継続の重要性
症状が改善してからも、予防のためのエクササイズ継続が再発防止の鍵となります。
他の治療選択肢について
保存的治療で効果が得られない場合の選択肢も知っておきましょう。
- ステロイド注射:炎症の強い場合に検討
- 手術治療:3-6か月の保存治療で改善しない場合
- 再生医療:最新の治療選択肢(※効果については個人差があります)
ただし、大規模な研究においても、リハビリテーションが最も効果的な治療であることが明らかとなっていますので、まずは保存的治療に集中することをおすすめします。
肩のインピンジメント症候群は確実に治る疾患です。適切な治療法と継続的なリハビリテーション、そして何より諦めない気持ちがあれば、必ず競技復帰を果たすことができます。同じ悩みを抱える皆さんの一日も早い回復を心よりお祈りしています。
※本記事の情報は2025年8月7日時点のものです。最新情報については公式サイト等でご確認ください。